届かない吐息

「好き・・・」切れたばかりの携帯電話を握りしめ伝えられない言葉を呟いた。

まだ耳にじんわりと残る貴方の声。

もう何度か体を重ねたのに未だに私からはきちんと言えずにいる。

あの声が少し低くなり私に囁きながら快楽へと導く。

思い出して火照る、体。

後ろから抱きしめて服の裾から入り込む手。

こうやってゆっくりと焦らすようにブラの上から頂のあたりをなぞり・・・・

起ったのを確認してからブラをずりあげて直接触れる。

ぎゅ、とつまみ上げられると痺れたような感覚が全身に走り

先を期待してあそこがじわりと濡れてくる。

一人で何をしているんだろう、どこかで冷静に考えながらも

目を瞑り自分の指でありながら貴方の指の感覚を追い気持ちよくなっていく。

左右の固くなった先端をぎゅうぎゅう摘んで引っ張って乳房を激しく揉んで。

荒い息のまま下へ手を伸ばすと湿った感触。

下着を脱ぎ直接触れればくちゅ・・と音がして自らのイヤらしさに

ぞくりとした背徳感を覚えまた溢れさせてしまう。

ゆっくりと蜜を湛えた溝をなぞればくちゅくちゅと耳を犯す音。

いつも貴方がしてくれるみたいに、クリを激しく擦りあげてイキそうになる寸前で止めて。

静かな部屋の中一人裸で息を乱して、私は頭の中で貴方と体を重ねるぐらい好きなの・・・。

ぐちゅっ・・いっそうイヤらしい音を立てて指を挿れた。

びくんっと意志に反して体が跳ねる。

「気持ち・・いいよぉっ・・・」泣きそうになりながら中の良いところを指が擦って。

〜〜〜〜♪

いきなり鳴り出したケータイにびっくりしてぎゅ、と締まるあそこ。

耳慣れたこの曲は貴方からの着信。

躊躇って・・・片手で着信ボタンを押した。

もちろん指は抜かないままで。

「どうしたの?」いつも通りを装いながら気づかれたくないと願い気づいて欲しいと願う。

「用はないけどなんか・・声聞きたくて」笑う貴方の声に溢れる蜜は止まらない。

ねぇ私今一人でシてるんだよ・・・。

「さっきも話したじゃん!」笑い返しながらぐちゅとかき混ぜて、荒い息に貴方は気づく?

「・・・優紀は今、何してた?」少し息をのんで、訊ねてくる。あぁ、気がついてしまったね。

「何を・・・してたと思う?」

「俺のこと考えてたんじゃない?」少し、意地悪な声になる貴方。

「自惚れすぎ・・だよ。当たり、だけど」クリを軽く撫でるだけで溢れ垂れる蜜。

「ふぅん?じゃあ・・・今から会いに行ってもかまわないよな?

すげぇ優紀をめちゃくちゃにしたい」

くすくすと笑う意地悪声に少し、焦る。

今来られたら誤魔化せない。

「だっ・・めだよ、もう遅いし・・」あぁでも貴方のに突かれておかしくなりたい。

「だぁめ。すぐ行くから」それだけ告げて切られた電話。

慌てて脱ぎ散らかした下着を着けようとした時、がちゃりと鍵の開く音がした。

鍵を持ってるのなんて一人しかいない。

慌てて布団にくるまってみても言い訳のしようがないこの状況なのに

私はまた溢れさせてしまう・・・。

「優紀〜?いないのー?」寄ってくる足音に体を縮めた。

「さっき電話したばっかりで寝てるわけが無いよね?」

頬にかかっていた髪を払われて、仕方なく見上げる。

「うん・・でも来るの早すぎない?」

「はは。で、優紀は俺のことを考えてなにしてたのかな?」

ばさっと布団をはぎとられ誤魔化しようがない。

「・・・・えと・・・・」視線だけがうろうろとさまよい答えることなどできず。

「こんなに濡らして、何回イったんだろうね?乳首もこんなに固くしてさ?」

曝されている体を楽しむ手に嬌声があがる。

自分の手とはやはり違う、欲しかった快楽が体を支配する。

「我慢してるのに可愛い声聞かされたら、期待に応えない訳にはいかないよね」

くすくす、と笑いながら腰を撫で腿を撫でる掌に言葉など紡げ無い。

ぐい、と開かれた両足の間をじっと見られて隠すこともできず期待に熱くなっていく。

「見てるだけなのにひくついちゃってぐっじゅぐじゅ。

すっげやらしいね。でもまだお預けだよ〜足はそのままね」

貴方は自分のバックの中から何かを取り出して私に目隠しをした。

「めちゃくちゃにしたいって言ったデショ?覚悟してね」

耳元に貴方の声、闇の中では肌に触れた髪の感触にすら感じてしまう。

ヒヤリとした硬質なものがあそこに当てられる。

次の瞬間ヴィィィと機械音が響き悲鳴のような嬌声をあげ私の体は跳ねた。

「なっ・・・にっこれぇぇ・・!!!」

「ん?ローター。気持ちいいでしょ?」

生暖かい感触が胸の尖りをくわえて笑う。

揺れる息にすら震える体を機械が追いつめて。

「やっ・・っく・・イクぅっ・・・!!」

びくんびくんと快楽に跳ねる体悲鳴のような嬌声が響く。

「可愛いなぁ・・あと5回ぐらいイっておこうか?」

更に強い振動が体に伝わりもう痛いほどに感じて涙混じりで喘ぐ。

「イキまくってる優紀可愛すぎ・・・」

ぐちゅっ・・と水音と共に熱い質量が私を穿つ。

「んぁぁぁぁっ・・・」

気持ちよすぎて頭の中が真っ白になり自ら腰を振り

打ちつけられる痛みや音にすら興奮が止まらない。

ずりゅ・・・と中の一ヶ所を抉られて体が反る。

「そっこっ・・・っめ・・・」

切れ切れに懇願すればがっちり腰を掴んでそこを集中的に攻められ

乳首を噛まれて、ぶしゃっと蜜を吐きながら私は意識を失った。

「あ、起きた。」目を開けたらほっとした笑顔の貴方。

一瞬状況が理解できなくて見つめてしまう。

「感じすぎて気絶したの覚えてる?」

顔にかかった髪をはらってくれながら笑う姿にきゅん、とする心。

「ば・・・か」掠れきった声が出て自分に驚いた。

「はい」手渡されたのは水。がぶがぶと飲んでじと目で見上げた

。腰も痛いし乳首もじんじんと痛い。

「たまにはいつもと違うえっちしようかと思って玩具買って

電話してみたら優紀が一人でしてたから止まらなくてさ。

階下から走って来ちゃった。でも気持ちよかったよね?」

悪びれず笑う貴方を殴った。

「なんで彼女でもない私にそんなにするのよ」

自分の言った言葉に自分の心が裂けた。

「は?」きょとん!とした顔の貴方。

「・・・優紀、あんなに好き好き俺に言っておいて何言ってんの?」

「・・・・・・・は?」こっちがきょとんとしてしまう。

「優紀何時もイク時とかイク直前に剛好きっ・・って言うから

俺も好きだよって・・・何覚えてないの?」

少し呆れた感じで言われてフリーズしてしまう。

だってそんな言った覚えないっ・・・。

「何、優紀俺のことなんだと思ってたの!?」

うわぁショック〜とか言われてもこっちが大ショックだっての・・・。

「・・・・・・じゃあちゃんと改めて言おうか。優紀大好き」

ぎゅ。と抱きしめられて降ってくるキス。

ぽろぽろと涙が溢れて頬を伝い落ちていく。

「優紀は?」優しく問いかけられてこっくりと頷いた。

「良かった。優紀はちゃんと俺の彼女だから浮気とかしちゃダメだからなっ」

そんな言葉に笑いながら涙が止まらない。

好きだよ、剛・・・。もう一人で抱え込んでなくていいんだね・・・。

「気持ちも確かめあったしまたシヨっか?

玩具使ってまた優紀イカせまくりたいし♪」

「っのバカ。もうやだ!」

他愛ないやりとりにすら心が暖かい。

これからもよろしく・・・彼氏さん。

「優紀〜。」

ゆらゆらと揺れる感覚に目を開く。

「・・・・・」まだ暗い部屋の中、側にある温もりを抱きしめて再び目を閉じた。

「ゆ〜き〜・・・」うるさい。苛っとして背中を向け小さく丸まる。

「いい加減起きてよ〜・・・」

「・・うるさい」かろうじて声を紡いだ。がさがさと掠れた声が耳障りだがそれよりなにより眠い。

「だって俺暇・・・」「寝てろ」命令のように吐き捨て三度目を閉じた。

サイドから肌を撫で胸のふくらみに伸びてくる

手を感じながら意識は睡魔に捕らわれぐずぐずと溶けて。

「ダメか。無防備に寝ちゃってさ・・・」

すうすうと気持ちよさ気な寝息をたて始めた彼女の胸から手を外しほっぺたを軽くつつく。

柔らかな胸に触れたせいですっかり天へ向かう自分にため息をついて、そっとベッドを抜け出した。

勝手知ったる彼女の家。風呂場へ向かいシャワーを浴び自らを鎮める。

確かに疲れさせたのは自分だし今日は休みだから遅くまで寝ていても問題は無いけれど。

頭と体をタオルでがしがし吹きながら今日の予定は未定だな・・・と諦める。

たまには映画でも・・と思ったのになぁ。

優紀の好みぐらいわかっている。

こってこてのラブストーリーが好きなのだ。

意地っ張りのくせに寂しがり屋で、照れ屋。

そんな彼女がイク時に俺に好きと言ってくれるのは本当無意識の領域らしく

そんな深く愛されちゃってる事実によりいっそう優紀が好きでたまらない。

考えてる内にムラムラしてきて寝室へ舞い戻る。

すぅすぅと寝たままの優紀の肌に思いっきりキスマークをつけた。

気持ちよさそうに甘い声をあげて笑う姿に更に唇と指で快楽の火を灯す。

引っかくようにして胸の先端を目覚めさせ起き上がってきたところを口に含んで吸い上げ

舌先で転がして緩く噛んでその甘さを味わい

片手で腰や足の間を撫でほんのりと色づいて張りを増した肌も楽しむ。

「・・っ・・ふ・・なっ何してるのよ!」

情欲を宿したとろんとした瞳と赤く色づいた肌で睨まれても誘っているようにしか・・見えない。

特に返事はせずに広げた足の間に顔を埋め綻び始めた芽へ舌先を伸ばす。

「ん、やぁぁっ・・!」びくびくっと内腿を震わせ足で頭を挟み込んでくる。

柔らかさと雌の匂いにクラクラしてブツリ、と理性の切れる音がした。

ぷっくりと膨れた芽と開いた花を舐め回す。

舌先でこじ開けて内側へ差し入れ高くなっていく嬌声を聞き、吹き出した密にまみれ。

起き上がりぐりぐりと乳首を摘み、猛る剛直を温もりの中へ埋め込んだ。

「たっ・・けるっ・・・剛ぅっ・・・」

背中へ立てられる爪の強さは快楽と比例していると知っているから

遠慮なく腰を打ち付けじゅぶっじゅぶっと立つ水音と締め付けてくる中に追い立てられて。

「やぁぁっ・・剛好きっ・・・・」

ぎゅうっと締まってくる中から慌てて引き抜きお腹の上へ俺のを放出させた。

荒い息のまま隣へ倒れ込むとこっちへ向いた優紀の瞳から涙が溢れていて。

「ゆっ・・優紀!?」

慌てて指で拭おうとしたら振り払われた。

「ば・・・か・・・」

ぽろぽろとこぼれてシーツへ吸い込まれていく涙にただ俺はおろおろするばかり。

「ひどい」力無い拳が俺を叩く。

「ご、ごめん・・・」抱き寄せてよくわからないがとりあえず謝った。

「わかって、ないでしょ?」くぐもった声が責めの声色で問うてきた。

「ん・・うんごめん・・」ぎゅっと腕に力を込めた。

「馬鹿。意識無いのにするとか嫌。」どんどんと胸を叩く拳が心まで叩く。

「ごめん・・・」ただ謝るしかできなくて情けなくなってくる。

「私じゃなくてもいいって事、なんだよ・・・!?」

「でも・・優紀の寝てる顔可愛くてムラムラしちゃったんだ・・・ごめん。もうしない、絶対。」

「本当?」

ごそごそと腕から抜け出し見上げてくる瞳に涙はない。

「約束する。」「なら許してあげる」ぎゅっと俺の体に優紀の腕が回る。

柔らかな体にようやっと許されて安心した。

「シャワー、浴びてくるね?」

離れて立ち上がる姿を目で追い、女心・・というか優紀はよくわからない。

とりあえず、このまま寝ていたら上がってきた優紀に何か言われるから

俺は台所へカフェオレでも、と作りに向かう。

仕方ないだろ・・好きだから尽くしたいんだよ。



The end・・・・・・・