出会い

私はセックスが嫌いだ。

と言いっても性行為を毛嫌いしている訳ではない。

簡単に言えば、オチンチンは可愛くて好きなのだが、進入されるのは疲れるのだ。

夫との性生活も同様だ。

目が覚めると毎日のように夫のオチンチンをまさぐる。

暖かくクニュクニュのオチンチンをまさぐっていると、夫が浅い眠りのなかでもだえ始める。

夫の中に男を感じる瞬間だ。オチンチンが膨らみ硬くシコっていく。

夫が眉間に皺を寄せ、恥ずかしい吐息が漏もれる。

オチンチンがエラを広げ硬直したところで、私はシゴきはじめる。

その頃には、夫もハッキリと目覚めて私の体に腕を回してくる。

「気持ち良い?」

「ふうううう・・・・・、凄くいい・・・・・・・」

夫の表情を眺めながら、ゆっくりとシゴいてやる。

夫が極まりそうになったところで、さらにゆっくりとシゴいてやる。

「さあ、イキなさい。」

「優香!好きだあ!」

夫は、私の名を呼び、私の手のひらに性を放つ。

私はそれで満足だった。

夫が出かけた後、夫の表情を思い出してのオナニーは好きだった。

風呂上りの夫が裸で歩いている。

紅茶を片手にバラエティ番組を見ていた私は、不意にそれをまさぐりたくなった。

ソファーに腰掛けたまま夫を呼び寄せた。

腰に巻いていたバスタオルを取り、オチンチンを手に取った。

いつものように勃起させると、じっくりとしゃぶってやる。

いつもより興奮する。

でも、セックスがしたいわけではないのだ。そんな私を夫は分かってくれている。

それでもそんな事があった日は、夫は興奮し私を求めてくる。

時間があれば、出来るだけ夫の気持ちに応えるようにしている。

夫しか経験は無いが、夫はそれほどセックスがヘタでは無いと思っている。

進入時間は長くはないが、前戯も厭わないし

セックスの度にクンニや指使いで必ず私をイカせてくれる。

それでもセックスが無ければ、無いに越したことはないと思っている。

私たち夫婦には子供がいなかった。生活に不満は無いが

生活のリズムを変えるため、近くのレストランへパートに出てみた。

レストランは若い女の子や大学生の男の子がいて、色々な話ができて楽しかった。

アルバイト仲間の飲み会やドライブにも参加するようになっていた。

ある日の飲み会に、大学生の男の子の同級生が来ていた。

初めて会った瞬間から胸が高鳴った。

そんなことはこれまで一度だって無かった。

飲み会が進むなか、何度も視線が絡みあった。

どうすれば良いのか分からないまま飲み会が終り彼と別れた。

胸の高鳴りが収まらない。

そのまま分かれたことを後悔していた。

突然、彼が現れた。

皆は2次会に向かったはずだった。

一人分かれた私が心配になったのだと彼が言った。

その夜、彼の部屋で脚を開き彼を迎え入れた。

今、思い出しても体が熱くなるほどのセックス。

荒々しいセックス。

男に抱かれる。

男に身を任せる。

男に責められる。

そんな言葉は現実には起こらない装飾語だと思っていた。

それから私は3日と空けずに彼の部屋に通った。

狭いアパートの一室、パイプベッドの上で、毎日のように脚を開き彼を迎え入れた。

彼の体重が胸を潰し、開いた脚を更に押し広げる。

男の匂いに包まれる。

たくましい男の体が躍動を始める。

私の体は恥ずかしいほどに反応した。

自分がこれほどに乱れ、濡れるとは思ってもみなかった。

荒々しいセックスを、本当の男を、始めて知ったのだ。

彼の部屋へ通うことを止められなかった。

彼は私にプロポーズした。

卒業まで気持ちが変わらなければ、それを受けることを約束した。

卒業までの3年間、彼の部屋で過ごす時間が私の全てだった。

今、私は彼と暮らしている。

彼に出会って、生きるのがとても楽になった。

考えることは一つだけ。

彼に求められるために爪を磨き紅を引く。

彼の好む料理を作り、彼の好む下着を着けて、彼の帰りを待つだけだ。

以前から続けていた趣味や習い事の全てに興味が無くなった。

習い事といえば、新しくエアロビクスに通い始めた。

休みの朝、食事を済ませると私はレオタードに着替えて体操を始める。

彼に柔軟を手伝わせるのだ。

今日も彼の好む下着を付け、開脚の練習をするのだ。

「あなた。手伝ってくれる?」

「優香。今日は一段とセクシーだね。」

「開脚の練習をしたいの。Y字バランスをしたいのよ。」

私は、床に横になると、下半身を仰向けから90度回転させた。

丁度、脚を横に振り出すと真上に上がる方向だ。

勢いよく脚を振り上げる。

脚が120度程開き肩の横まで脚が伸びるのだが少し膝が曲がってしまう。

「あなた。膝と足首を伸ばして欲しいのよ。」

「ああ、分かった。痛くないかい?」

「大丈夫よ。膝が伸びたら。股関節を開いて。」

「股関節?どうすれば良いの?」

「足首とももの付け根を押さえて、グイグイ開くのよ。」

「こう?」

「もっと!」

「こう?」

「もっとよ!」

彼の股間が膨らんでいるのが分かる。

練習が終ると同時に彼は私を抱き締めるわ。

そう、その瞬間から私の長い一日が始まる。

私はセックスが嫌いではない。

私は強い男に求められるためだけに生きている。



The end・・・・・・・